ソフトについて
「日本語ワードプロセッサ」は、1987年発売のX68000初代から1990年発売のX68000SUPER等まではバージョン1.0が、1991年発売のX68000XVIと1992年のX68000CompactXVIにはバージョン1.1が付いてきました。
「日本語ワードプロセッサ」という、そのまんまのネーミングがいいですね。
1993年発売のX68030からは、SX-WINDOW上のシャーペンというソフトに取って代わられました。


画面
バージョン1.10の方で、画面の構成を見ていきます。一番上のメニューについては、次節で触れます。
編集終了アイコン

左上の/って感じのアイコンで終了します。メニューからは終了できません。あとは、バージョン1.1では、CTRL+CLRというキー操作でも終了できます。
文書タイトルと章タイトル

左が文書タイトル、真ん中が章タイトル。ヘッダやフッタに印刷することができます。
文書タイトルや章タイトルをクリックすることで、タイトルの編集ができます。
章移動アイコン

このソフトでは、章単位で編集することができ、左下のこのアイコンで、章を切り替えます。

章がない場合は、新しい章を開くことができます。
ウィンドウ

ここでいうウィンドウとは、画面分割のことです。主に⇕みたいなアイコンで切り替えます。
スクロールバー、章頭アイコン、章末アイコン

スクロールバーの上下にあるボタンは、スクロールボタンではなく、章頭・章末移動ボタンです。
スケール

上のスケールは、各行の頭からの文字数を表します。
黒い部分の右端のつまみを左右に動かすだけで一行の文字数を設定できるのは、結構便利です。
アイコン領域

画面の右端はアイコン領域と呼ばれ、上から網掛け、罫線、改行幅の設定、クリップボード、印刷アイコン、かな漢字変換のモード表示があります。
この内、かな漢字変換のモードについて触れておくと、「ろーま」は、ひらがなのローマ字入力を表し、「デ学」はディスク学習(学習結果をディスクに書き込むか、メモリ内にとどめるか)、「逐次」は逐次変換(変換キーを押さなくても自動的に変換していく)を表します。
マウス操作
プルダウンメニュー

このソフトのメニューは、クリックしたらメニューの各項目が現れて、そのままドラッグして選択するプルダウンメニューです。
今時のユーザーインターフェイスは、一度クリックしたらメニューが開いたままになるドロップダウンメニューですが、Macintoshも、MacOS 8になるまでは、プルダウンメニューでした。
なので、この時代の主流は、プルダウンメニューだった、と言えます。
ポップアップメニュー

右クリックするとポップアップメニューが開きます。
一番上がAGAINとなっていて、右クリックしてすぐに放すとこのAGAINが発動するのですが、これが曲者。
AGAINとすると、直前にした操作が繰り返されます。しかも、アンドゥ機能(元に戻す)はないので、慣れないと「そんなつもりじゃなかったのに」となることが、多々あります。
クリップボード

左ドラッグで文書の一部を選択、右クリックからCUTあるいはCOPYすると、クリップボードに送ることができます。貼り付けるときは右クリックからPASTE(CUT)あるいはPASTE(COPY)で貼り付けます。
このソフトでは、カットとコピーで別々のクリップボードが使われます。アイコン領域にクリップボードが視覚化されていて、クリップボード内の先頭の1文字が表示されます。
この辺のマウスでの切り貼り操作はなかなかよく出来ていて、Oh!X編集部でも原稿の編集に使っていたという話。
キーボード操作
改行
普通、改行キーを押すと改行コードが挿入されますが…このソフトでは、カーソルが次の行に移動する効果しかありません。
改行コードの挿入は、Shift+Returnになります。ちょっと使いにくい。
記号入力

X68000のキーボードには、「記号入力キー」というキーがあって、それを押すか、あるいは[入力]-[文字選択]メニューを選択すると、上のような文字一覧から入力することができます。
ちなみに、上で表示しているのは外字エリアで、ローマ数字やX68000のロゴが含まれています。
メニュー
画面上部のメニューを、ファンクションキーで開くことができます。
装飾

文字装飾
文書の一部を選択して、アイコン領域の装飾から選択、装飾をクリックすることで、適用することができます。
装飾の種類には、網かけ5種類、下線6種類、打ち消し線3種類、枠囲い(複数の文字を一つの枠で囲う)、文字囲い(各文字を枠で囲う)があります。
装飾の効果は、枠囲い以外は、画面上で表示できます。
メニューによる装飾
メニューからは、1/4角、ルビ、組文字、横倍角、縦倍角、4倍角、斜体、強調(太字)、回転(左に90度回転)を適用できます。
この内、縦倍角、4倍角については、画面上ではその通りに表示することはできず、文字の上のバーの形で表示されます。
罫線
罫線は、縦横に、文字半分単位で、割と自由に引くことができます。横方向のリサイズはできませんが、罫行挿入・削除という形で縦に伸縮させたり、一部を消去できたりします。
がんばれば、それなりにしっかりした表を描けます。
おわりに
結構クセはありますが、これはこれでなかなか面白いソフトだと思います。